研究概要 |
生体機能の計測を主な目的とする核医学画像診断法では、コンピュータ技術の利用が不可欠で、今日では、対象とするデータ量が増大しより高性能なコンピュータと高度な処理が要求されている。その中で、素人が容易に使える操作性の向上、複雑な生体モデルに対する解析法の確立、データベースの構築が重要な課題となっている。本研究では、これらの課題に対して、人工知能技術やファジー理論を導入して、1)ユーザフレンドリインターフェイスの開発、2)先験的医学知識を利用したモデルの構築と数学的解法の開発、3)それを用いた臓器機能画像の作成、4)解析結果のデータベースの構築と解析法の開発を行なうことを目的としている。本年度は,新しく導入したワークステーション(IRIS Indigo2)のモティーフを使った画像変換のたるの入力インターフェイスを作成し,操作性を向上させた.また,データベースマネージメントのためのツールも開発し,インターフェイスのための基本ツールをそろえつつある.生体モデルに対する解析では,シンプレクス及びマルケート法による3コンパートメントモデル解析のプログラムを作成し,臨床データの解析を開始した.また、マルケート法ではファジー理論を応用して収束速度を早くすることができた.隣り合ったピクセルでは値が大きく変わらないと言う仮定を入れたファジー制御を導入して、機能画像を作成する方法を検討している。これにより、演算の高速化と信頼性のある値の機能画像の作成が期待できる。11C酢酸の動態検査から作成した心筋血流、酸素代謝のパラメータ画像に対して、フラクタルディメンジョンを算出しフラクタルディメンジョン画像を作成する方法を開発した。現在臨床データに応用して、血管性疾患と心筋症の間の病態の違いを見いだすことができるか検討している。
|