研究課題/領域番号 |
05670801
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
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研究分担者 |
谷井 靖之 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (80227206)
柴田 良子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40216023)
鈴木 道雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40236013)
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キーワード | ドーパミン代謝 / デカン酸ハロペリドール / 嗅内皮質 / 扁桃体 |
研究概要 |
(1)左線条体ニューロン破壊ラットのドーパミン(DA)代謝 成熟ラットの左線条体にキノリン酸120nMを注入し、そのニューロンを破壊した。その1週後にデカン酸ハロペリドール(ハロペリドールとして60mgeq/kg)またはその溶媒を筋注し、その1日後と21日後の左右線条体におけるDA代謝(組織濃度)の変化を高速液体クロマトグラフにより測定した。その結果、左線条体においても、ハロマンス投与1日後のDA代謝の亢進と21日後のその減衰は、右側と同程度に認められた。このことから、ハロペリドール慢性投与によるDA代謝の減衰には、後シナプス側のニューロンの関与は乏しく、DA神経終末の自己受容体が主な役割を果たしていることが示唆された。 (2)嗅内皮質傷害ラットのDA代謝の変化 前年度は、左嗅内皮質傷害の4週間後に、扁桃体DA濃度が上昇することを報告した。今年度は比較のために、両側の嗅内皮質にキクリン酸75nMを注入し、2週と4週後に、両側の内側前頭前野、前部帯状回、背外側線条体、側坐核、および外側扁桃体のDAとその代謝産物(DOPACとHVA)の組織濃度を測定した。また、その4週後のラットについて、左の扁桃体基底外側核に透析プローブを装入し、メタンフェタミン(2mg/kg)腹腔内投与によるDA放出量の変化を脳内微小透析法により測定した。その結果、両側嗅内皮質障害によるDAとその代謝産物の組織濃度に有意の変化は生じなかったが、メタンフェタミン投与によるDA放出量は、対照群の約2倍の値を示した。以上の結果は、両側の嗅内皮膚傷害により組織濃度に変化はなくてもDAの過剰放出がされやすくなってることを示唆している。
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