研究課題/領域番号 |
05670804
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
中川 博幾 福井医科大学, 医学部, 講師 (10198038)
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研究分担者 |
伊崎 公徳 福井医科大学, 医学部, 教授 (00115205)
三崎 究 福井医科大学, 医学部, 助手 (40190615)
間所 重樹 福井医科大学, 医学部, 助手 (90190553)
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キーワード | Shift work / Melatonin / Cortisol / Circadian rhythms / Sleep disorders / Insomnia |
研究概要 |
まず、予備的に不規則交代勤務者の睡眠覚醒パターンを調査した。大学病院に3交代制で勤務している看護婦13名(独身者9名、既婚者4名)に28日間睡眠日誌の記入を依頼した。その結果、28日間の夜勤回数、平均睡眠時間には独身者と既婚者の間に差はなかった。しかし、各勤務前後にどのような睡眠パターンを取っていたかを、詳しく検討したところ、既婚者は入眠時刻がほぼ一定であるのに対して、独身者はそのばらつきが大きかった。このことは、交代勤務に従事する既婚者は独身者と異なり、主婦業という社会的な同調因子に拘束されて、睡眠覚醒リズムが大きく制約されているあらわれであると考えられる。そして、交代勤務が生体リズムに与える影響を直接把握するためには、被験者として独身の交代勤務者のみに絞った方がいいという結論をえた。 次に、交代勤務が生体リズムに与える影響を調べるために、独身看護婦5名(シフト群)、夜勤や交代勤務の経験がない独身者5名(コントロール群)を対象に、夕方15時から翌日10時まで50ルクス以下の明るさに保たれた部屋に隔離して過ごさせ、その間18時から翌日の10時まで2時間毎に合計9回採血を行い、血中メラトニン濃度、血中コルチゾール濃度を測定した。その結果、血中コルチゾール濃度はシフト群がやや高い傾向があった。これはシフトワークを長時間続けていることによる慢性的なストレスの影響によるのかもしれない。血中メラトニンの概日リズムの位相は両群間に有意な差はなく、血中メラトニンの概日リズムの振幅はシフト群で有意に小さく、不規則交代勤務によりメラトニンリズムが不明瞭化する事が示唆された。さらに、不規則交代勤務を続けていると起こる種々の身体症状の出現には、今回明らかになった生体リズムの乱れが関与していると思われる。
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