既報のcDNA配列をもとに、ラット脳のcDNAからPCRで124bp DNA断片を増幅し、124bp断片が単一に得られた。このDNAをプローブに用いて、8種類のヒト血球由来の培養細胞をノーザンブロットした結果が図1である。すべての血球由来培養細胞から1.1と1.6kbの2種類のmRNAが検出された。ヒト赤芽球細胞から増幅した146bp断片が、報告されている配列と同一であることを確認した後、プライマーを合成し未知の部分を増幅解析した。3'末端のDNAは、ヒト赤芽球細胞のpolyA^+RNAから(dT)_<17>プライマーで逆転写し、nestedプライマーと既知の部分のプライマーで二度PCR増幅して得た。5'末端は、既知の部分のプライマーで逆転写し、terminal deoxynucleotidyl transferaseを用いて末端にpolyAを付加した。その後の増幅は、3'末端で用いた方法と同じである。1.6kbに相当するcDNAは、1600と1553bpの2種類から構成され、それぞれのcDNAの全塩基配列を決定した。 〔要約〕 ラット脳Isoaspartyl Protein Carboxyl Methyltransferase(PIMT)cDNA配列をもとに、PCRを用いDNAプローブを作成した。8種類のヒト血球由来の培養細胞からRNAを抽出し、ノーザンブロットを行なった。長さの異なる2種類のRNA(1.1、1.6kb)が検出された。mRNAを抽出し1.6kbに相当するcDNAをNested RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)法で配列決定した。スプライシングの違いにより、1600と1553bpの2種類のcDNAが同定された。この2種類のcDNAから推定される蛋白は、C末端の一部が異なることが明らかになった。
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