研究課題/領域番号 |
05670817
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高畑 直彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20000987)
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研究分担者 |
藤井 充 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80199299)
深津 亮 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10113614)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | アミロイド前駆体蛋白 / アミロイドβ蛋白 / リソソーム経路 / クロロキン / transferrin receptor / rab7 / rab 7 |
研究概要 |
リソソーム(Ly)経路におけるアミロイド前駆体蛋白(APP)の分解・処理過程とアミロイドβ蛋白(Aβ)の生成過程に及ぼすクロロキン(CQN)の影響を検討した。 1.Ly経路の特異蛋白に対する抗体: Ly経路は、エンドソーム、一次、ないし二次Ly,並びに輸送小胞で構成される。これらに特異的蛋白(transferrin receptor、rab7、cathepsinD)に対する抗体の樹立した。 2.CQN添加培養細胞におけるAPPの細胞内での分解・処理過程の検討: 1)ヒト由来培養細胞における検討:HUT78(T細胞株)、U937(単球由来細胞株)、HeLa細胞を培養して検討した。 (1)免疫組織学的検討:Ly経路に対する抗体では、transferrin receptor抗体では粗大な嚢状構造物が、rab7抗体では比較的小さな空胞状構造が、cathepsinD抗体では顆粒状構造が染め出された。APP、Aβに対する抗体では細胞表面あるいは細胞内に細顆粒状に染め出される構造物が見いだされた。 (2)生化学的検討:細胞分画にはamyloidogenic、non-amyloidogenicな断片が多数認められた。4kDa前後のAβ断片がミトコンドリア画分、可溶性画分に見出された。 2)CQN添加培養細胞における検討: (1)免疫組織学的検討:CQNを培養液に添加すると、12-24時間後に細胞内に空胞が出現した。その一部はtransferrin receptor抗体、rab7抗体、APP、Aβに対する抗体によって染色された。 (2)生化学的検討:CQNを培養液に添加して空胞形成を確認した後、ミトコンドリア画分、可溶性画分には4kDa前後のAβ断片がで明瞭に示された。 以上の結果はLy経路などの、いわゆる酸性コンパートメントがAPPの分解過程に関与しAβの生成に重要な役割を演じていることを示唆するものと考えられる。
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