研究課題/領域番号 |
05670824
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
玉井 洋一 北里大学, 医学部, 教授 (80050441)
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研究分担者 |
田口 文章 北里大学, 衛生学部, 教授 (40050455)
三浦 貞則 北里大学, 医学部, 教授 (70050383)
大谷 義夫 北里大学, 医学部, 講師 (40095500)
中村 和生 北里大学, 医学部, 助手 (40189030)
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 講師 (90118810)
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キーワード | クロイツフェルト・ヤコブ病 / タンパク質 / 二次元電気泳動 / プリオンプロテイン / 垂直感染 / 周産期感染 |
研究概要 |
研究計画の中から、タンパク質の二次元電気泳動に関する実験を先に着手し、新たに我々が先に報告したクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)妊婦症例の知見を踏まえ、CJDの周産期感染のリスクを実験的に検討した。 1:非平衡pHグラジエント電気泳動とSDS-PAGEとの組合せでマウス脳の12個のタンパク質スポットの経時的変動を解析した結果、正常群では一定であるが、感染群で顕著に増加する3個のスポットを特定することができた。現在アミノ酸配列を含めて構造解析中である。 2:周産期および母体感染の可能性について〔実験1・母系、父系感染の検索〕感染♀マウスから生まれた仔マウスを実のCJD母マウスで哺育、正常母マウス(foster mother)で哺育、および正常マウスから生まれた仔マウスをCJD接種母マウス(foster mother)で哺育させる場合の3つのケースについて仔マウスの発育状態を観察したが、400日齢現在、仔マウスの発症は認められない。CJD♂マウスからの感染も認めていない。〔実験2・新生仔マウスへの接種〕生後3、7、21、28日齢のマウス腹腔内にCJD株を接種し、症状発現までの期間を観察した結果、いずれの日齢群でも240-270日の間に発症した。〔実験3:感染マウスの胎盤、胎児脳、精子、精液の感染性の検索〕妊娠CJDマウスから採取した胎児と胎盤、感染♂マウスの精子と精液の感染性を検索した。母マウスの脳と脾臓は100%感染性を示しが、胎盤と胎児脳には370日現在感染性は認めていない。発症直前の15週目で採取した精子、精液にも感染性はない。Western blotによりPrP^<OJ>の検出を試みたが、PrP^<OJ>がCJD接種母マウスの脳で検出されている場合でも、その胎盤と胎児脳にPrP^<OJ>は検出されなかった。〔結論:感染因子への感受性に年齢差は無い。周産期感染の結論は次年度に得られる。
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