最近、分子生物学的手法を用いることにより、2種類の、LDL受容体と構造の類似した蛋白が報告され、リポ蛋白代謝におけるこの機能について検討されている。これらのことから、さらに、新たなリポ蛋白受容体を同定解析する目的で、LDL受容体一次構造に類似性を有する蛋白のDNAクローニングに着手した。これまでに、LDL受容体と核酸配列の類似した新たな蛋白のcDNAをクローニングした。そのcDNAの塩基配列からの推定により、このcDNAから翻訳される蛋白は、LDL受容体一次構造の機能領域であるリガンド結合領域およびEGF前駆体相同領域に相当するアミノ酸配列に極めて類似した配列を含有していることが明らかとなった。さらに、ウサギ肝cDNAライブラリーより得た、すでに塩基配列を決定したcDNAクローン(3.6kb)を用いて、プラークハイブリダイゼイション法により本蛋白の全長cDNAを同定し、dideoxy法により、その全塩基配列を決定した。今後、培養動物細胞へのcDNAのtransfectionによる本蛋白の発現を行い、trarsientexpressionにより本蛋白を発現した細胞表面上の、^<125>I標識した各リポ蛋白分画結合能および他のリポ蛋白との競合性について解析する。stableexpressionにより得た本蛋白を発現している細胞を用い、^<14>C標識したコレステロールを含むリポ蛋白の細胞表面結合後の異化能を解析する
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