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1993 年度 実績報告書

自己免疫性甲状腺疾患の発症とHTLVウイルスとの関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05670867
研究機関徳島大学

研究代表者

川井 尚臣  徳島大学, 医学部・内科学第一, 助教授 (00035461)

研究分担者 西田 善彦  徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30198478)
赤池 雅史  徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
キーワード橋本病 / バセドー病 / HTLV-I / HTLV-II / 抗HTLV-I抗体 / HTLV-I感染家兎 / HTLV-Iキャリア / HTLV-IIプロウイルス
研究概要

1.橋本病およびバセドー病患者におけるHTLV-I感染者の検索
1)橋本病患者145例の血清抗HTLV-I抗体を凝集法およびウエスタンブロット法により調べ,10例(6.9%)の抗体陽性者が発見された.この頻度は当地域のキャリアにおける頻度(2%)に比べて有意に高頻度であった.
2)バセドー病患者88例では3例(3.4%)の同抗体陽性者が発見された.この頻度は,一般人のHTLV-Iキャリアの頻度に比べ有意に高値ではないが,HTLV-Iキュリアの中にHTLV-I関連疾患のブドウ膜炎,関節炎を合併するバセドー病2家系3症例が見出された.
3)献血者706名について抗HTLV-I抗体を検査し,抗体陽性者における甲状腺自己抗体を調べた結果,陽性率は8.6%であった.この値は抗HTLV-I抗体陰性者における同頻度(5.5%)に比べて高頻度であった.
2.橋本病およびバセドー病患者におけるHTLV-II感染者の検索
1)橋本病患者33例中17例(52%)とバセドウ病患者17例中2例(12%)にHTLV-IIプロウイルスDNAをPCR法にて検出できた.それらの頻度は疾患対照の2%,健常対照の1%度に比較して有意に高頻度であった.
2)増幅されたPCR産物の塩基配列を調べると,その配列はコントロールのHTLV-IIプロウイルスDNAのそれとほぼ一致していた.しかしプロウイルス陽性の両疾患患者では血清抗HTLV-II抗体は合成ペプチドを用いたEIA法では陰性であった.
3.橋本病およびバセドウ病患者の甲状腺組織中のHTLV-Iウイルスの検索
血清抗HTLV-I抗体陽性の橋本病患者2例の甲状腺組織内の甲状腺組織切片を抗HTLV-I蛋白抗体を用いて免疫組織化学にて検索し,1例の甲状腺濾胞上皮細胞および浸潤リンパ球にHTLV-I蛋白を検出した.また,この例の甲状腺組織中にin situ hybridization法にてHTLV-IのmRNAを検出した.
4.HTLV-I感染性甲状腺疾患モデルの作製
家兎(5羽)にHTLV-I感染者の血液を静注し,HTLV-I感染家兎を作製することができた.この家兎の甲状腺機能,甲状腺自己抗体を検索中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 川井尚臣,他: "橋本病患者の白血球DNAに見出されたHTLV-IIプロウイルスDNA" 医学のあゆみ. 164. 151-152 (1993)

  • [文献書誌] 国重誠,他: "バセドー病,ブドウ膜炎および関節炎を合併したHTLV-Iキャリアの1例-HTLV-I感染とバセドー病発症との関連について" 綜合臨床. 42. 813-817 (1993)

  • [文献書誌] Yokoi K.et al.: "Involvement of HTLV-I and HTLV-II in the pathogenesis of Hashimoto thyroiditis" 80 years of Hashimoto Disease. 115-119 (1993)

  • [文献書誌] 川井尚臣: "橋本病を発症したHTLV-Iキャリアの甲状腺組織におけるHTLV-Iのウイルス蛋白とmRNAの検出" 医学のあゆみ. (印刷中). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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