研究概要 |
NODマウス胎盤胞を発生3.5日目に採卵した。採卵は卵管の洗浄と子宮の洗浄を併せておこなうことにより、胎盤胞の回収率を上げることに成功した。 10^4単位/mlのleukemia inhibitory factorの存在下で7日間培養を行い、増殖してきた幹細胞をEDTA-Trypsinにて解離した。Mitomycin Cで処理されたSTO細胞をフィーダー細胞として用いて、継代を繰り返した。doubling timeはおよそ24hrである。現在、27代の植え継ぎを行っている。細胞の多分化能については、0.25-4%DMSOもしくは1muM-0.01muMのRetinoic acidの存在下で培養することにより、fibroblast,epithelial cell,neuronal cellへの分化が確認された。 またbacteriological dishにてLIFを除いて培養を行った所、cystic embryoid bodyの形成が確認された。以上のことからこの樹立された細胞株はPluri-potent stem cellであると考えられた。今後,キメラマウスの作製能、germ lineへのtransmissionにつき検討を行う予定である。 gene targetting vectorはdelta遺伝子Cregionの3つのexonとmuM遺伝子の1,2のexonを含み、muMexonにneomycin-resistant遺伝子、3'側にHSVthymidine kinase遺伝子を結合して作製した。既に、従来から用いられているembryonic stem cell line clone D3により、gene targettingが可能であることを確認している。今後、前述のNODマウス由来ES細胞株を標的としてtargettingを行い、homologous recombinationをおこしてtargettingに成功した目的の細胞cloneを選択する予定である。
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