研究課題/領域番号 |
05670892
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
矢島 由紀子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (60090114)
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研究分担者 |
秋田 朗子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (40124432)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | ソマトスタチン / GTP結合蛋白質 / 下垂体細胞 / 百日咳毒素 / αサブユニット / βγサブユニット / pituitary cell |
研究概要 |
本研究はラット垂下由来GH4C1細胞を用いてソマトスタチン受容体刺激によって、可溶性GTP結合蛋白質が派生することを見出した。その派生したGTP結合蛋白質の生化学特性を検討した実績を報告する。本細胞膜とソマトスタチンをインキュベートすると細胞膜からGTP結合蛋白質のαサブユニットが遊離した。ソマトスタチンは特異的にGi2とGoのαサブユニットを遊離した。このソマトスタチンの効果は予め細胞を百日咳毒素で前処理すると阻害された。ソマトスタチンによって、細胞膜からβγサブユニットは遊離しなかった。また、intactのGH4C1細胞をソマトスタチンで刺激すると、細胞質画分にGi2のαサブユニットが遊離し、膜画分からGi2のαサブユニットが減少した。時間的にホルモン刺激後、早い時間(8分)から、Gi2のαサブユニットが細胞膜から細胞質に移行した。次にソマトスタチン刺激で遊離したαサブユニットの生化学的特性を検討した。細胞膜から遊離したαサブユニットはβγサブユニットの存在下で、百日咳毒素でADP-リボシル化されたことから、βγサブユニットと再会合が可能なことを示した。遊離したαサブユニットは膜画分とインキュベートしても膜画分に移行しないが、βγサブユニットの共存下でインキュベートすると、膜画分に移行した。GTP結合蛋白質のαサブユニットの膜への結合の仕方として、Gi/GoのαサブユニットはN末の2位のグリシン残基がミリスチル化されており、このミリスチル化が細胞膜結合に重要な役割を果すと考えられているが、ソマトスタチン刺激で細胞膜から遊離したGi2のαサブユニットはミリスチル酸を保持していた。ソマトスタチン刺激によって細胞膜から遊離したαサブユニットが再び細胞膜に結合することが示唆された今回の結果は新しい情報伝達機構を示唆するものである。
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