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1993 年度 実績報告書

リンパ性幹細胞性白血病における分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05670937
研究機関福岡大学

研究代表者

木村 暢宏  福岡大学, 医学部, 講師 (40136445)

研究分担者 菊地 昌弘  福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
キーワード幹細胞 / 白血病 / 分子生物学 / CD7陽性白血病 / 遺伝子再構成 / T細胞受容体
研究概要

CD7+幹細胞性白血病はT細胞系で最も幼若な悪性腫瘍としてKurzbergらにより提唱されたが、そのグループにサブグループ(末梢血に腫瘍細胞の出現のない)があることを知り報告した。このサブグループは、Tリンパ系から骨髄性白血病に転化する傾向が強い。
TcRdelta鎖遺伝子解析で91%の高頻度にT細胞系のみに報告されているJ領域を含む再構成が、また特にD2(D3)J1と言う再構成様式が81%に認められた。V2/3D様式は見られず、D2D3様式が3症列に。このことから、Tリンパ系でのdelta鎖再構成はD2D3→D2(D3)J→VDDJと完成することが示唆された。T細胞の最も幼若な分化段階での判定は現在cytoplasmic-CD3(CyCD3)と言われているが、delta鎖のDDJ再構成はCyCD3とほぼ同一レベルか、それよりより幼若なT細胞で起こっていた。以上の結果は、TcRdelta鎖のDDJ様式は、Tリンパ系幹細胞レベルで生じており、T細胞で最も幼若かどうかの判定には、CyCD3よりもより有用であることを示している。
驚くべき興味ある結果が得られた。今後、T細胞の発生学・免疫学・造血幹細胞の研究領域・混合型や未分化白血病の研究領域など限りない分野でこの知見は大いに価値あるものと思われる。
すなわち、我々のdelta鎖解析結果は現在の一般認識を大きくかえるものであつた。T細胞系において(1)delta鎖再構成は最初にV2D様式である(2)DDJやDDはほとんどないとまでいわれていた。またその再構成の順序もTcRbeta鎖やIg重鎖と異なるといわれていたが、我々の結果はbeta鎖やIgと同様であることを示唆した。
6年度はさらに症例を集め,DDJのPCR増幅産物の塩基配列解析を、またCD7-AML症例との比較や混合型・未分化白血病について検討したい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K Tachibana,et al.: "Enhancement of cell killing of HL-60 cells by ultrasound in the presence of the photosensiting drud phot." Cancer Letters. 72. 195-199 (1993)

  • [文献書誌] M Katsuno,et al.: "CD7+ stem cell leukemia/lymphoma" Cancer. 72. 99-104 (1993)

  • [文献書誌] N Kimura,et al.: "The rearrangements of T-cell recentor and immunoglobulin genes in Hodgkin′s disease:" Medical Bulletin of Fukuoka University. 20. 79-88 (1993)

  • [文献書誌] K Akashi,et al.: "T lymphoid/myeloid bilineal crisis in chronic myelogenous leukemia" Experimental Hematology. 21. 743-748 (1993)

  • [文献書誌] JH Ohyashiki,et al.: "Comparison between immunogenotypic findings in de novo AML and AML post MDS" Leukemia. 7. 1747-1751 (1993)

  • [文献書誌] J Suzumiya,et al.: "Expression of adult and fetal natural killer cell markers in sinonasal lvmphomas" Blood. 4月号発表予定. (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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