研究概要 |
新生児仮死,低血糖,無呼吸発作,核黄疸等による脳障害の発症機構は脳のエネルギー代謝障害,就中そのミトコンドリアの機能障害によるものと考えられる。ヒト新生児脳の成塾度に最も近似している新生仔豚を用いて^<31>P-MRスペクトロスコピー(以下^<31>P-MRS)によりそのパラメーターであるPCr,ATP,Pi並びにpHをin vivoで,低酸素負荷,低血糖等の影響について検討しその成果を報告してきた。今回は新生児期に脳障害の原因として最も頻度の高い低酸素状態における脳エネルギー代謝障害を^<31>P-MRSで測定すると同時にカラードマイクロスフェレを用いて脳全体のみならず脳の各部位に分けて脳循環(ml・100g^<-1>・min^<-1>)を測定する。更にこれと並行して前記^<31>P-MRSの実験条件と可及的に同一の条件下において血圧,脈拍数,脳波,血液生化学的検査とlaser-doppler-velocimeter・水素クリアランス・カラードマイクロスフェレを用いて脳循環を測定し,共通の手段であるカラードマイクロスフェレによる脳循環量の両者の対比より新生児低酸素性虚血性脳症における脳循環と脳エネルギー代謝障害との関係を確立することを目的とする。新生児期の低酸素負荷前後における血液ガス,血中乳酸,尿酸,hypoxanthineなどを測定し且つ,ATP,PCr,Pi,pH等の脳エネルギー代謝のparameterを^<31>P-MRSで測定すると同時にカラードマイクロスフェレを用いて脳全体のみならず脳の各部位に分けて脳循環(ml・100g^<-1>・min^<-1>)を測定した。更に並行して前記^<31>P-MRSの実験条件と可及的に同一の条件下においてlaser-doppler-velocimeter(LDV)のみならずカラードマイクロスフェレを用いて脳循環を測定し,共通の手段であるカラードマイクロスフェレによる脳循環量の両者の対比より新生児低酸素性虚血性脳症における脳循環と脳エネルギー代謝障害との関係を検討を加え次年度で詳細に報告したい。
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