研究課題/領域番号 |
05670974
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
大西 鐘壽 香川医科大学, 医学部, 教授 (40080014)
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研究分担者 |
今井 正 香川医科大学, 医学部, 助手 (60176477)
磯部 健一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159815)
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | ^<31>P-NMR / CBF / 脳内エネルギー代謝 / colored microsphere / 低酸素性虚血性脳症 / 低酸素負荷 / 新生仔豚 |
研究概要 |
HIEの病態解明のため、新生仔豚に低酸素負荷をかけ^<31>P-NMRによる脳内エネルギー代謝とcolored microsphereによる脳血流(CBF)を同時に測定し検討した。 低酸素負荷により大脳の血流(total CBF)は前値50.2±6.5ml/min/100gから、15分後90.1±19.1ml/min/100gと約1.8倍に増加したが、45分後にはほぼ前値の42.2±12.0ml/min/100g、徐脈時には18.3±9.4ml/min/100gと有意に減少した(p<0.001)。延随、中脳・橋等脳幹部の血流は、徐脈時でも前値に比べ有意な減少はなかった。大脳と脳幹部の血流を比べると、前値に有意差はなく、45分、徐脈時では脳幹部が有意に多かった(p<0.005)。MABPとtotal CBFには、r=0.861(p<0.001)の相関があり、血圧の変動とpararellにtotal CBFは変化した。PCr/Pi、組織内pH(pHi)は、total CBFが前値の50ml/min/100gより低下すると急激に低下した。両者にはそれぞれr=0.843、0.796(p<0.001)の相関があった。PaO2とtotal CBFには、有意な相関はなかった。 脳血流の検討より低酸素血症では、CBFのautoregurationは破綻し、homeostasisを維持するため、また、不要な代謝産物を除去するために増加した。また、各部位毎の血流の検討では、低酸素負荷が続き大脳において血流が減少しても、生命活動に最低限必要な脳幹部では、比較的血流が保たれることが証明された。 total CBFと脳内エネルギー代謝の検討より、total CBFが低酸素負荷前の値より減少すると脳内エネルギー代謝、組織内pHが低下することが立証され、HIEにおいては、CBFが脳内エネルギー代謝の最も重要な因子であることが証明された。
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