研究課題/領域番号 |
05670975
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
須永 進 昭和大学, 医学部, 助教授 (80101327)
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研究分担者 |
呉 有晃 昭和大学, 医学部, 助手 (40231328)
林 智靖 昭和大学, 医学部, 助手 (70218585)
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キーワード | 母乳栄養 / 蛋白消化吸収能 / 低栄養 / 刷子縁膜酵素活性 / Cathepsin B |
研究概要 |
母乳栄養で飼育されたラット(対照群)ならびに低栄養(日齢2より一週間)で飼育したラット新生児の消化管機能の発達について、蛋白の消化吸収の面から生理学的ならびに生化学的に検討した。 *消化管内の蛋白消化能力(proteolytic activity): 対照群の推移は日齢9までは低い値を示すが、日齢16(117.2mug tripsin equivalent/ml)を境に急速の増加し、日齢23では934.18、日齢30では435.3を示した。一方、低栄養群では日齢16で対照群の約70%、日齢23では81.5%と低く、日齢30(424.7)で、一過性の蛋白消化能力の低下を認めた。 *翻転腸管法による蛋白の吸収能(pinocytic activity): 放射能ラベルBSA、beta-lactoglobulinを使用してのpinocytic activityは日齢16より急速な低下が見られた。しかし、低栄養群では対照群と比べ、activityの低下は緩やかで日齢23でも僅かな活性を認めた。 *小腸粘膜の刷子縁膜酵素活性の測定: gamma-GlutamyltranspeptidaseやAminooligopeptidase活性は消化管内のproteolytic activityとほぼ同様推移が見られた。低栄養群での活性値の上昇は遅れ、日齢23よりほぼ対照群同じ値となった。 *小腸粘膜ならびにCathepsin Bの測定:intactな状態で取込まれた蛋白はその後lysosomal酵素により消化されることが推測される。この様な考えから小腸粘膜細胞ならびに肝臓のCathepsin Bの活性を測定した。対照群のactivityは日齢16までは3.7U/mg protein前後に推移したがその後日齢23(2.6)より漸次低下し、日齢30(1.9)であった。
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