研究課題/領域番号 |
05671002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舟橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30183114)
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252245)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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キーワード | 副腎腫瘍 / 核内転写調節因子 / Ad4BP / ACTH receptor / チトクロームP450 / クッシング症候群 / 原発性アルドステロン症 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
共同研究者である九州大学諸橋憲一郎博士からAd4BP cDNAの提供を受けた。また1993年のNatureに発表されたACTH receptor(ACTH-R) cDNAの塩基配列からオリゴヌクレオチドを合成し、ヒト副腎組織から抽出したRNAを用いてPCRによるc-DNA cloningを行い、ACTH-R cDNAを得た。これらcDNAが挿入されたプラスミドを用いて大腸菌を形質転換し、この大腸菌を大量培養し各々のcDNAの挿入されたプラスミドを得た。これらのプラスミドに正しいインサートが入っていることを、プラスミドの制限酵素によるマッピングで確認した。これらのcDNAがヒトやラットのmRNA定量のプローベとなり得るかどうかを、ヒト副腎腫瘍および近傍正常副腎組織およびラット副腎からRNAを抽出し、上記のcDNAとHybridizationを行って検討した。その結果high stringencyの洗浄によってもそれぞれのRNAに対応するバンドがみられ、充分クロスハイブリダイズする事が確認された。 臨床材料では疾患ごとにAd4BP,ACTH-R遺伝子発現と臨床データとの関連を、またステロイド合成チトクロームP450酵素(P450)の遺伝子発現との関連を検討中である。また、P450遺伝子発現の制御に関する基礎的な研究として、ラットを用いたAd4BP,ACTH-R遺伝子の発現調節に関する研究を計画した。デキサメサゾンを投与し内因性のACTHを抑制したラットにACTHを投与し、経時的にAd4BP,ACTH-Rの2種類のmRNAを定量した。その結果、Ad4BPはACTH刺激によってもあまり変動はみられず、Ad4BPは副腎でのステロイド合成を維持するために常時必要な核内調節因子と考えられた。また、ACTH-RはACTHにより、up-regulationされる結果が得られた。
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