研究課題/領域番号 |
05671002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
船橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 九州大学, 医学部, 助手 (30183114)
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252245)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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キーワード | ACTH-receptor / Transcription factors / Adrenocortical tumor / ACTH |
研究概要 |
当該年度 副腎皮質腫瘍は、クッシング症候群や原発性アルドステロン症などの機能性腫瘍と臨床症状を呈するようなホルモン産生の認められない非機能性腫瘍に大別される。本研究では、機能性副腎腫瘍の発症機序を検討するため、ステロイド合成調節に関わる転写調節因子ならびにACTH受容体遺伝子の発現をクッシング症候群患者の手術時に得られた副腎を用いて検討すると共にラットを用いた基礎的検討を行った。 1.ラットを用いた基礎的検討 Wistar系雄ラットにデキサメサゾンを投与してACTHの分泌を抑制した後、ACTHを腹腔内投与した。経時的にラットを屠殺し、副腎を摘出し、total RNAを抽出してノーザンブロット法によりACTH mRNAのACTH刺激による変化を検討した。その結果、ACTHは、受容体mRNAの増加を介してその作用を発揮することが明らかにされた。更に、ステロイド合成酵素P450遺伝子の転写調節因子(Ad4BP,NGF-IB,COUP-TF)のACTHによる発現調節も検討し、ACTHが NGF-IB,COUP-TF mRNAの発現を調節することを明らかにした。 2.クッシング症候群患者の副腎を用いた臨床的研究 クッシング症候群を呈した2例の手術時に摘出された副腎皮質腫瘍とそれに附随する非腫瘍部の組織を用いて検討を行った。その結果、腫瘍部におけるACTH受容体の調節が正常副腎と異なることが示された。ステロイド合成調節に関わる転写因子Ad4BPに対するmRNAは、腫瘍部と正常部でその発現は等しく、mRNA発現レベルでの異常は認められなかった。
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