研究概要 |
1.SSCP法によるHLA-DP抗原多型性の同定 細胞学的方法でしか同定できなかったHLA-DP抗原型の型判定が、DNA typing法の1種であるSingle-strand conformation polymorphism(SSCP)法を用いて行うことができることが判明した。特異性の異なるDPA1,DPB1のhomozygous cell linesのexon 2をPCRにより増幅した。これをSSCP法による電気泳動像で解析した。15種のDPB1の中11種がこの方法で同定された。さらに他のprimerの工夫で残りの4種も同定された。また、新しいHLA-DP抗原型の存在を示唆された。 2.DCP法とSSP法の組み合わせによるHLA-DRB DNAタイピング Olerupが最近開発したPCR-sequence-specific primers(SSP)法は簡便であるため臨床応用に適した方法であるが、すべての特異性を検出するには多くのprimersが必要であるために経済的でない。また、われわれの開発したSSCP法を銀染色により泳動像をみると、single strandのみならず、heteroduplexesのパターンから更に精密な型判定が可能となり、PCR-DNA conformation polymorphism(DCP)と名付けた。SSP法で血清学的レベルでの型判定を行い、的を絞ったDCP法を追加することにより、効率良いHLA-DRタイピングが可能となった。
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