研究概要 |
本年度での達成目標はmonitorとparameterの適切な選択、および対照群としての正常人dataの収拾,分析を行う事であった。 臨床における栄養代謝量の動的測定に有効と思われる間接熱量計は,実際にはその測定方法の検討が充分でないため,まずその再評価からおこなった。 得られた結果は, 1.栄養摂取の前後において基礎代謝量(REE)の測定値は異なるが高い相関を示した。 2.早朝空腹時での測定に限界があるため活動空腹時REEを検討しおおよそ0.92の係数で前者を推定する事ができると考えられた。 3.Harris-Benedictの式によるREEと厚生省基礎代謝基準値を実測値(空腹時)と比較すると予想に反し前者がより高い相関を示した。 以上より間接熱量計による空腹時REEの推定にはHarris-Benedictの式を用いる方がより近い値が得られると考えられた。(第15回日本臨床栄養学会総会,東京,平成5年11月26日で発表) 現在は,未消化便を呈するも体重が維持されている経腸栄養のみの短腸症候群症例に,REEを測定しつつ各栄養素の代謝量を検討しその吸収のメカニズムと至適カロリー投与量を検索中である。 来年度はbioelectrical impedance法を加え各栄養素の利用率,水分分布をふまえつつ体重増加因子の解析と体蛋白増加の最も有効なカロリー/窒素比を検討する予定である。
|