研究課題/領域番号 |
05671029
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小崎 正巳 東京医科大学, 医学部, 教授 (30096309)
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研究分担者 |
平野 俊彦 東京薬科大学, 臨床薬理学, 助教授 (90173252)
吉田 雅治 東京医科大学, 医学部, 講師 (60146537)
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キーワード | 腎移植 / 免疫抑制剤投与法 / 薬剤感受性 / リンパ球感受性 / ステロイド / シクロスポリン |
研究概要 |
1)昨年度までの研究成果にもとづき、今年度はリンパ球の薬剤感受性試験を用いて腎移植患者におけるsteroid剤(ST)の減量、中止およびcicrosporin (CS)の至適投与量について検討を行った。 2)腎移植後2年以上経過した症例でprednisolone (PSL)の維持量が2.5-5.0mg/dayとなった22例(生体腎移植13例、死体腎移植9例)を対象とした。 3)リンパ球感受性試験は幼弱化を50%抑制する薬剤濃度(IC50)で評価した。 4)22例中腎機能が低下した群は4例、安定していた群は18例であったが、両群間にHLA適合度など背景因子に差はなかった。PSL-IC50は低下群(670.0ng/ml)が安定群(26.7ng/ml)より有意に高かった。 5)血清Cr値が1.5mg/dl以下で、術後急性拒絶反応のなかった8例でST離脱を試みた。6例は離脱準備期間1-7か月でST中止に成功したが、2例はCr上昇のためSTを再開した。2例ともcortisolに対する感受性(COR-IC50)の悪い症例であった。 6)CSに関しては低感受性群(CS-IC50>10ng/ml)と高感受性群(CS-IC50>10ng/ml)を比較した。急性拒絶反応の発症回数は低感受性群(2.25回)が高感受性群(1.16回)より多い傾向を認めた。また移植後18か月目のCr値は、低感受性群が高感受性群より有意に高値であった。 7)以上の成績より(1)ST-IC50の高い症例はSTの減量、中止を慎重に行う必要があること、(2)CSの至適投与量の決定にはCS-IC50も参考にすべきこと、が結論された。
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