研究課題/領域番号 |
05671047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長島 郁雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (90202423)
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研究分担者 |
山形 誠一 東京大学, 医学部(病), 医員
木村 理 東京大学, 医学部(病), 助手 (00169947)
和田 祥之 東京大学, 医学部(病), 医員 (70107647)
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キーワード | 膵癌 / 前癌病変 / 膵管上皮増生巣 / ploidy pattern / K-ras / p53 / APC / PCR |
研究概要 |
膵癌と乳頭部癌の前癌病変を明らかにする目的で、膵管上皮増生巣と乳頭部腺腫様組織、浸潤癌巣について、病巣の組織異型度を顕微蛍光測光法による核DNA量ヒストグラムの対比検討を行い、以下の結果を得た。 1.正常膵管上皮巣を異型度1〜2群ではすべてdiploidyを示し、3群から浸潤癌巣までpolyploidyとaneuploidyの増加傾向が認められ、浸潤癌巣ではすべてaneuploidyを示した。 2.乳頭部の腺腫様組織と浸潤癌巣においても異型度に平行して、同様のploidy patternの変移傾向が認められた。 3.以上の結果は、膵管上皮増生巣と乳頭部腺腫様組織の前癌病変をしての意義を支持するものと考えられた。 さらに、膵癌に随伴する膵管上皮増生巣の発癌過程への関与、前癌病変としての意義を明確にすべく、これらの組織におけるK-ras遺伝子、p53遺伝子、APC遺伝子の変異、細胞増殖能の検討を行った。 まず、膵管癌を主体とする切片材料を用いて病理組織学的検索を行ったパラフィンブロックよりもDNA抽出を試みたが、PCRに必要な十分量のDNA抽出が困難であり、いまだその後の検索に至っていない。現在もパラフィンブロックよりのDNA抽出方法を検討し、継続中である。
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