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1995 年度 実績報告書

ヒト癌の転移能獲得における遺伝子組み換え変異とp53遺伝子変異についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671051
研究機関新潟大学

研究代表者

鈴木 力  新潟大学, 医学部, 助教授 (40183420)

研究分担者 藍沢 喜久雄  新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (10222449)
キーワード癌悪性度 / 遺伝子不安定性 / DNA組み換え変異 / ミニサテライトDNA / DNAフィンガープリント法
研究概要

われわれはすでにマウス癌細胞において、ミニサテライトDNAを用いたDNAフィンガープリント法にて、DNAが強いヘテロ化状態にあることが癌細胞が転移能を獲得する原因の一つであることを明らかにしてきた。本研究は、ヒト癌細胞においてもマウス癌細胞と同様に、細胞の遺伝的不安定性が変化することが、癌細胞の悪性度を規定する一因子と成り得ることを実証するものである。すなわち、患者白血球DNAと手術で得られた癌細胞DNAの組換え変異の頻度を比較し、指数化すると同時に、この指数と患者予後との関連を追求することを目的としている。大腸癌患者6名からそれぞれ末梢血液を採取した。さらに、これらの患者の切除された新鮮手術標本から、癌組織および、その周辺の正常粘膜を切除し、それぞれのDNAを抽出した。これらのDNAを適当な制限酵素で消化し、アガロースゲル電気泳動に供した後、ヒトミニサテライトプローブhPc-1を用いてサザンハイブリダイゼーションを行った。昨年度は、それぞれの患者個人にはDNAの多型は認められたが、患者末梢血、癌周囲正常粘膜、癌組織DNAの間には、組換え変異は認められなかったことを報告した。今年度は、採取した癌組織内の正常組織のコンタミネーションを防止するため、癌組織DNAの調製を厳密に行うとともに、新たに大腸癌患者2名を追加し、hPc-1を用いたDNAフィンガープリント法による分析を行った。しかし、いずれの症例も組換え変異は認められなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Suzuki, et al: "Quercetin induces recombinational mutations in cultured cells as detected by DNA fingerprinting" Jpn. J. Cancer Res.82. 1061-1064 (1991)

  • [文献書誌] T.Takada, et al: "Somatic mutation during metastasis of a mouse fibrosarcoma line detected by DNA fingerprint analysis" Jpn. J. Cancer Res.83. 165-170 (1992)

  • [文献書誌] S.Sadamoto, et al: "Radiation induction of germline mutation at a hypervariable mouse minisatellite locus" Int. J. Radiat. Biol.65. 549-557 (1994)

  • [文献書誌] S.Suzuki, et al: "Two mouse hypervariable minisatellites: chromosomal location and simultaneous mutation" J. Biochem.114. 292-296 (1993)

  • [文献書誌] 鈴木 聡、他: "DNA組換え変異と癌悪性度の関連について" 癌と化学療法. 21. 52-57 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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