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1993 年度 実績報告書

消化器外科領域における不飽和脂肪酸の代謝解明とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 05671064
研究機関神戸大学

研究代表者

笠原 宏  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10243304)

研究分担者 金丸 太一  神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
宇佐美 真  神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00193855)
山本 正博  神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
斎藤 洋一  神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
キーワード肝再生 / 多価不飽和脂肪酸 / ω-6系脂肪酸 / ω-3系脂肪酸
研究概要

70%肝部分切除後の残存肝には、肝再生のエネルギー基質としてのみならず細胞および組織の再生基質としても脂肪の蓄積がおこるとされており、今回も肝臓への脂肪の蓄積増加が確認された。また、体内脂肪からの脂肪動員が認められ、肝再生には脂肪が必要であることが明らかとなった。
さらに、肝再生時早期の血清中多価不飽和脂肪酸の有意の減少を認めたため、肝再生時に脂肪酸中でも多価不飽和脂肪酸が利用されていると考えられた。そこで、多価不飽和脂肪酸中ω6系脂肪酸およびω3系脂肪酸は動物体内では合成不可能とされているので、多価不飽和脂肪酸欠乏状態となる低脂肪食(脂肪含量はほぼ0)を作成した。2週間この低脂肪食を摂取させたラットを作成し低脂肪食摂取群とし、70%肝部分切除施行すると、普通食摂取群と比較して有意に肝切除後1日目の肝細胞Labelling indexは低下し、7日目の再生肝重量から求めた肝再生率は低下した。したがって、肝再生時に多価不飽和脂肪酸は必須と考えられた。
次に、上記の低脂肪食に多価不飽和脂肪酸のω6系脂肪酸、ω3脂肪酸、ω6+ω3系脂肪酸をそれぞれ普通食の含量に合わせて付加し、2週間摂取させた後70%肝部分切除行ない、同様に肝切除後の肝細胞Labelling indexと肝再生率を比較検討した。ω6系脂肪酸付加群にて、ω3系脂肪酸またはω6系+ω3系脂肪酸を付加した群と比較して有意に肝切除後1日目の肝細胞Labelling indexの改善を認め、肝切除後7日目の肝再生率も改善した。
以上より、肝再生時早期のDNA合成にはω6系多価不飽和脂肪酸が必要で、ω3系多価不飽和脂肪酸では代用できないことが明かとなり、肝切除後7日目の肝再生率にも有意の差が出現したと考えられた。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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