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1995 年度 実績報告書

消化器外科領域における不飽和脂肪酸の代謝解明とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 05671064
研究機関神戸大学

研究代表者

宇佐美 真  神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00193855)

研究分担者 山本 正博  神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
笠原 宏  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10243304)
齋藤 洋一  神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
キーワード多価不飽和脂肪酸(PUFA) / n6多価不飽和脂肪酸 / n3多価不飽和脂肪酸 / 肝再生 / 急性肺障害 / インドメサシン
研究概要

多価不飽和脂肪酸欠乏状態となる低脂肪食(脂肪含量ほぼ0)を摂取させたラットでは、肝切除後の1日目の肝細胞DNA合成は抑制され、7日目の再生肝重量も低かった。この低脂肪食に多価不飽和脂肪酸のω6系脂肪、ω3系脂肪、ω6+3系脂肪をそれぞれ付加したところ、ω6補充は肝再生早期の肝細胞DNA合成を促進させ、コントロール(普通食)まで肝再生を回復し、ω3の補充では低脂肪食よりもむしろ低いことを報告してきた。そこで、ω6系から生成されるエイコサノイドのひとつで肝再生に関与するとされるプロスタグランデインE2(PGE2)に注目し肝切除後の血中PGE2を測定したところω6補充で上昇することが示された。現在までω6系から生成されるエイコサノイドで肝再生に関与するものとしてはPGE2、 PGF2_a、トロンボキサンB2が報告され、これらの合成酵素であるcyclooxygenaseはインドメサシンでブロックされることから、肝切除前30分にインドメサシンを腹腔内投与したところ、ω6補充では肝再生が有意に抑制され、ω3補充では抑制されず、肝再生早期の肝細胞DNA合成にはω6系多価不飽和脂肪酸が必要不可欠であることが明かとなった。また、エイコサノイドは侵襲時に各種ホルモンやサイトカインのネットワークと連動して種々の病態に関係する。そこで、ラットにエンドトキシンを静注し、急性肺障害を作成し、低脂肪食、ω6補充食、ω3補充食にて検討したところ、ω3補充にて急性肺障害(肺湿乾重量比、肺胞洗浄液中のトロンボキサンB2)の改善を認めた。以上、必須脂肪酸にはω6系とω3系があり、ω3系は現在抗炎症作用、抗動脈硬化作用、抗アレルギー作用など利点が強調されているが、各々の病態に則した脂肪の使用が必要であり、脂肪の種類・量・投与方法のさらなる検討が必要である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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