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1993 年度 実績報告書

術前・術後の肝機能の指標としての血中7alphaヒドロキシコレステロールに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671070
研究機関九州大学

研究代表者

黒木 祥司  九州大学, 医学部, 助手 (30215090)

研究分担者 岡本 修一郎  九州大学, 医学部, 医員
岸仲 正則  九州大学, 医学部, 医員
山下 弘幸  九州大学, 医学部, 助手 (60253449)
一宮 仁  九州大学, 医学部, 助手 (10183170)
千々岩 一男  九州大学, 医学部, 講師 (90179945)
キーワード7alphaヒドロキシコレステロール / 胆汁酸合成 / 閉塞性黄疸 / 肝予備能 / 減黄 / 胆汁流量
研究概要

1)早期胃癌あるいは大腸癌のため開腹手術を施行した患者において、肝機能正常I群例の肝ミクロソーム7alpha水酸化酵素活性(7AHL)は6.31±2.88pmol/min/mg protein、血清7alphaヒドロキシコレステロール(7AHC)濃度は239±116pmol/mlであった。慢性肝炎あるいは肝硬変患者は4例のみであり、更に症例の蓄積が必要である。
2)閉塞性黄疸患者13例に経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)を施行し、施行前および施行後3、5、7、14日目に血清とPTBDチューブよりの胆汁を採取した。胆汁中胆汁酸排泄量はPTBD翌日には正常値の約3倍と高値を呈し、3日目に最低となった。13例中7例では胆汁酸排泄量はその後次第に増加し、14日目には正常値の約2.8倍となったが、他の6例では殆ど増加がみられず14日目においても正常下限に留まった。血清7AHC濃度はPTCD前には正常値の半分以下であったが、先の7例では3日目より著明な増加が認められ、他の6例では殆ど増加が認められなかった。胆汁中胆汁酸排泄量と血清7AHC濃度との間には、強い正の相関が認められ、血清7AHC濃度が肝における胆汁酸合成量を反映することが示唆された。血清ビリルビン濃度はPTBDにより減少したが、胆汁酸排泄量の増加した患者では黄疸が早期に軽快し、増加しなかった患者では黄疸が遷延する傾向が認められた。両群間において胆汁流量には有意差がなく、また血清胆汁酸濃度は両群ともPTBD後速やかに低下したので、両群間の差異はドレナージが十分でなかったためではないと考えられた。以上より閉塞性黄疸患者の減黄術前後における血清7AHC濃度の変動は、肝における胆汁酸合成量の回復を鋭敏に反映し、手術時期の決定や肝予備能の評価のための新しい検査法として有用であると考えられた。本研究は作業仮説を統計学的に検討するために、既に十分な症例数を蓄積し、かつ有意な結果を得たものと判定したので、現在英文誌に投稿すべく論文作成中である。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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