研究課題/領域番号 |
05671071
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
千々岩 一男 九州大学, 医学部, 講師 (90179945)
|
研究分担者 |
東島 英孝 九州大学, 医学部, 医員
福島 和久 九州大学, 医学部, 医員
山下 弘幸 九州大学, 医学部, 助手 (60253449)
黒木 祥司 九州大学, 医学部, 助手 (30215090)
一宮 仁 九州大学, 医学部, 助手 (10183170)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
キーワード | 血中ケトン体比 / 肝エネルギーチャージ / Cholesterol 7α-hydroxylase活性 / フィブロネクチン / 肝再生 / 血中7α-hydroxycholesterol / 閉塞性黄疸 / 部分門脈閉塞 |
研究概要 |
我々は、肝ミトコンドリア・ミクロゾーム・網内系機能の指標を同時に測定することにより総合的な肝機能の評価法を検討しており、各々の指標として血中ケトン体比と肝エネルギーチャージ(EC)、血中7α-hydroxycholesterolと肝ミクロゾームのCholesterol 7α-hydroxylase活性(CH7α-OH)、フィブロネクチンを同時に測定し総合的に判断する事の有用性の一部を報告してきた。今回ラットを用い 1)閉塞性黄疸のミトコンドリア・ミクロゾーム機能と肝再生能 2)安全な肝切除をめざし部分門脈閉塞後の非閉塞葉と閉塞葉の肝再生とエネルギー代謝との関係 3)部分門脈閉塞後肝切除術の利点を検討した。黄疸早期より肝ECは低下したが、黄疸早期にはDNA合成が上昇しており肝障害に対する肝修復機序が考えられた。黄疸の遷延で肝EC、CH7α-OH活性全て低下し不可逆性に陥ると考えられ減黄の必要性が示唆された。部分門脈閉塞モデルでは、非閉塞葉の肝総アデニン量は一定であったがECは術後1日目に低下しDNA合成能は術後1日目より上昇し2日目にピークを示し肝重量も増加した。一方、閉塞葉のECは非閉塞葉と同様の変化を示したが総アデニン量の低下を伴い、肝再生は観察されず萎縮した。従ってDNA合成は肝のエネルギーを必要とするがECが低下したからといって必ずしも肝の再生がもたらされるわけではないことが示唆された。今回の実験では、AKBRとEC間には相関はなく、指標となりえなかった。肝組織CH7α-OH活性は実験期間中閉塞葉、非閉塞葉、sham手術肝に有意差は認めずミクロゾーム機能は保たれていると考えられた。70%門脈閉塞2日後にDNA合成が最大になった時点での肝切除群のEC、DNA合成能、過酸化脂質および肝機能は70%肝切除群に比し肝障害の程度は軽く、切除した肝重量に匹敵する40%肝切除群の術後経過と同様な値を示し肝切除に先立つ部分門脈閉塞術の有用性が示唆された。
|