研究課題/領域番号 |
05671077
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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研究分担者 |
桂巻 正 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50253993)
向谷 充宏 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00253998)
木村 弘道 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20186331)
伝野 隆一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40163943)
小林 謙二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30153604)
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キーワード | 胆汁うっ滞 / エンドトキシン / マクロファージ / サイトカイン / Kupffer細胞 / 肝細胞 |
研究概要 |
昨年度までの研究において、エンドトキシンとKupffer細胞あるいは好中球との反応産物に、胆汁分泌および毛細肝管の形態に影響を与える因子が存在することを確認し、さらにその因子は、蛋白と非蛋白部分より構成されていることと、分子量測定からは3種類の因子の存在が明らかとなった。 本年度は、これらの因子に対する単クローン抗体の作製を試みることが第一のテーマであった。3種の因子に対し作製された抗体は、それぞれ3ないし数種類に及んだが、上記反応産物の作用を著明に抑制しうる抗体は得られなかった。さらにこれらの詳細の未知な抗体を用いて、既知のサイトカイン(IL-1〜IL-6、IL-8、IL-10、TNF、PAF)との関係も検討したが、これらに対する抗体ではないことも確認した。しかし、唯一一種類の抗体でのみ肝実質細胞に対する細胞障害性を若干抑制しうる結果を得たので、これについてin vivoの実験系を用いて詳細な検討を加えた。さらにin vitro系にて既知のサイトカイン抗体を用いてcyto-toxicity,modulation効果への影響を検討した。 in vitro系において肝実質細胞へ最も大きな影響を与えたfractionを抗原として得られた抗体を同fraction門脈内投与にあたり前投与(n=3)および後投与(n=3)すると、前者においては胆汁分泌量と胆汁酸組成が対照群に近似値を示し、毛細肝管形態に全く異常を生じなかったのに対し、後者においてはそれが極く軽微な影響として得られたものの対照群のそれと有意差はなかった。なお後者に置ける毛細肝管形態については、一定の結果を得られず、後投与の効果については明言できぬ段階にある。前投与については投与量を減量し比較検討したところdose-dependent反応を認めた。 in vitro系における抗体投与効果はin vivoにおけるそれより明瞭なもので、肝実質細胞リソソーム酵素活性化、糸粒体ATPase活性低下を対照群に比し明らかに抑制し得た。 今後、抗原・抗体の特性をより明確にする必要がある。
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