研究課題/領域番号 |
05671082
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 和好 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90048348)
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研究分担者 |
玉沢 桂之 岩手医科大学, 医学部, 助手 (30244916)
中館 興一 岩手医科大学, 教養部, 教授 (40048260)
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キーワード | 炭酸カルシウム胆石 / 黒色胆石 / 炭酸カルシウム結晶 / アラゴナイト / カルサイト / バテライト |
研究概要 |
カルシウムは胆石構成成分の主要なものであり、カルシウム塩として含まれている。中でも炭酸カルシウム石は、炭酸カルシウムを78%含有しており、その結晶形も自然界のそれと異なりアラゴナイトが優位であり、熱的にも安定していることを先に報告した。今回は、頻度的にも増加しており、注目をおびている黒色胆石に注目して、両胆石の炭酸カルシウム分を比較した。結晶学的分析は、赤外線吸収スペクトル法と粉末X線回析法にて、化学分析は原子吸光法にて微量金属元素を測定した。X線回析上黒色石は主成分別、結晶学的に炭酸塩群、燐酸塩群と特異的なピークを示さないその他群の三つに大別された。炭酸カルシウム群ではアラゴナイト、カルサイト、バテライトの三同質多像形がみられたが、炭酸カルシウム胆石のそれと異なり、カルサイト優位であった。三者を同時に含有している新しい例も7例あった。化学分析上では全体的にCaが最も多く、次いでPが燐酸塩群に多かった。Muは燐酸塩群に、Cuはその他群に夫々有意に多かった。これらの結果は黒色石の成分黒色色素、残渣成分の検討に重要な示唆を与えるものと思われた。
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