研究課題/領域番号 |
05671091
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
森田 茂生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90246447)
|
研究分担者 |
古川 良幸 東京慈恵会医科大学, 第二外科, 助手 (80209171)
羽生 信義 東京慈恵会医科大学, 第二外科, 講師 (30189592)
|
キーワード | 胃切除術後逆流性食道炎 / 食道運動機能 / 下部食道括約筋 |
研究概要 |
近年、胃癌の手術が多くの施設で行われるようになってきた。しかし、その反面なんらかの不定主訴を抱えている患者も少なくない。その一つに胃切後の逆流性食道炎が大きな問題となっている。噴門周囲を郭清することにより下部食道括約筋が障害されることが逆流性食道炎を引き起こす要因と考えている。この病態および治療法を確立するためには食道、LESおよび胃の生理、機能的診断法が必要となってくる。そこでLES機能を評価するのに適しているcapillary perfusion method とDent sleeve catheterをもちいて食道、下部食道括約筋の生理的意義を検討するとともに、胃切後患者の残胃食道運動機能を健常者と比較検討することで、逆流性食道炎の発生機序の解明に努めた。胃癌にて幽門側胃切除を行った15症例のLES圧および食道内圧測定を行った。対象群として下部食道括約筋に器質的疾患のない20例を健常人とし、幽門側胃切除術群と同様に測定し比較検討した。(結果)LES 圧は胃切除術群では14.5±2.7mmHgであり健常人の19.6±1.4mmHgと比較し有意に低値を示した。また食道内圧測定において、胃切除術では下部食道の伝潘速度の遅延、および収縮圧の低値が認められ食道機能運動の低下が示唆された。このように胃切除術により下部食道括約筋、食道運動機能が障害されることが逆流性食道炎を引き起こす原因と考えられた。さらに食道内PH測定にてアルカリの食道内逆流を認めたことから、膵液および胆汁の逆流が食道炎の主因を占めるものであることが示唆された。このことより、胃切除後は胃食道接合部の逆流防止機構を作製することが重要であると考えられた。
|