研究課題/領域番号 |
05671095
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
山田 恭司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (80191302)
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研究分担者 |
伊崎 友利 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00231134)
木下 欣也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10204942)
岩崎 光彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00097338)
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キーワード | リンパ球幼若化反応 / PCNA / CD25 / CD71 |
研究概要 |
【目的】PHA幼若化反応はこれまで^3H-thymidineや顕微鏡的形態的変化を用いて測定されてきたが、最近ではIL2-receptorやBrdUを用いた解析も行われている。IL2-receptorはealy G_1 phaseより表出されるが、我々は、今回、late G_1 phaseより表出されるとされているPCNAに着目し、PCNAを指標としたPHA幼若化反応の有用性を検討した。 【方法】末梢血をficol分離により単核球分画とし、PHA添加RPMI1640で培養し、0、24、48、72時間後に細胞を採取した。ethanol固定後、FITC標識PC-10抗体(ダコ社)で染色し、リンパ球分画にgatingし、flow cytometryで解析を行った。ealy G1 phaseより表出するCD25、CD71染色を同時に行い、比較した。 【結果】isotyope抗体を用いてcut off値を設定した場合、健常成人(n=5)ではPHA添加前では、CD25 4.9±3.2%、CD71 14.7±7%、PCNA 3.2±2.7%であるが、PHA添加後は段階的に増加し、72時間後にはCD25 65.5±10.4%、CD71 51.1±16.6%、PCNA 62.4±8.6%まで増加した。相関係数で見ると、CD25 VS CD71は0.91、CD25 VS PCNAは0.89、PCNA VS CD71は0.76であり有意の相関を示した。進行消化器癌疾患者(n=5)では72時間値でCD25 40.8±22%、CD71 35.5±16.6%、PCNA 42.9±16.7%にまで低下した。 【結語】1)フローサイトメトリーを用いたPCNAによるPHA幼若化反応は核種を使わず、簡便で明瞭に客観的に固定細胞においても使用できる免疫学的パラメターであると思われた。 2)リンパ球の機能及び表面マーカーの表出はその細胞周期により左右されており、これまでリンパ球の活性化指標とされてきたI12 receptor(CD25)やTransfferin receptor(CD7 1)はealy G1 phaseより表出される表面マーカーであり、HLA-DRはpostmitoicより現れるマーカーであり、late G1 phaseより出現するPCNAは異なった意義を現す可能性もある。今後、担癌生体においてCD25、CD71、HLA-DRと比較しながら細胞周期から見たリンパ球幼若化反応として検討を加えたい。
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