研究分担者 |
川口 雄才 関西医科大学, 医学部, 助手 (10177660)
權 雅憲 関西医科大学, 医学部, 助手 (70225605)
箕浦 俊之 関西医科大学, 医学部, 助手 (40219704)
平松 義文 関西医科大学, 医学部, 講師 (30173264)
上辻 章二 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20148505)
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研究概要 |
1 異所性肝移植においてはrecipientの肝が残存しており、これにdonor肝を加えることによるrecipientの肝のRedox stateの上昇の確認が必要である。このためrecipient動物においてまず肝切除を行い、これにdonor肝を移植する必要があった。このための第1段階として(90%)肝切除ブタの作製を行った。しかし、90%肝切除モデルでは循環動態、代謝動態が、不安定で、これに異所性肝移植を行う実験モデルは安定性、再理性が少ないことが判明した。 2 新しい肝不全モデルの確立。そこで肝不全モデルとして門脈下大静脈吻合ブタに、6時間の肝阻血を行って肝エネルギーチャージや肝ミトコンドリアのRedox stateを血中で反映する、動脈血中ケトン体比を経時的に測定した(n=4)。肝阻血中はGOT,GPT,動脈血中アンモニア値、等がしだいに上昇した。PT,APTTは延長した。血中ケトン体は殆ど測定し得なかった。以後、阻血解除後、血中ケトン体比は一時的に上昇したが、経時的に低下して行った(前値2.4±0.7、2時間 1.8±0.9n=4、4時間 1.0±0.6n=3、6時間0.7n=1)。全ての動物は阻血解放後8時間で死亡した。 3 実験結果の評価 経時的に進行、増悪する肝不全モデルが確立した。このモデルは手術侵襲が肝切除より少なく循環等もより安定しておりこれに異所性肝移植を行えることが判明した。 今後の実験計画 このモデルにおいては全肝がRecipientの体内にあるため、左側2葉を切除後の肝を移植し、Redox理論により、肝のviability,手術手技等を評価する予定である。
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