我々はこれまで、骨格筋を循環補助に使用することをめざした研究の促進に必要な、バースト刺激と種々の刺激様式の設定が可能な植え込み型骨格筋刺激装置の開発を行ってきた。これまでに、(1)バースト刺激、(2)実験動物への植え込み、(3)刺激条件の経皮的設定変更および(4)心臓同期刺激が可能な骨格筋刺激装置の回路設計と試作機製作を行い、併せて開発したプログラマ-およびソフトウェアを用いた急性実験でその基本動作を確認した。また、加工が容易で安価なABS樹脂を使用したコンテナ-を製作し、刺激装置回路を収納する技術を確立して、実際の植え込みに備えた。 今年度は、これまでに確立された技術をもとに7台の刺激装置を製作し、体重25-30kgの7頭の雑種成犬に実際に植え込んでその耐久性に関する評価を行い、以下の様な結果を得た。 電池容量と理論的消費電流からは約9ケ月程度の連続作動が見込まれることから、4台については概ね良好な結果と判断されるが、残りの3台は短期間で停止しており、使用する電池の問題も含めて個体差の低減が今後の大きな課題として残された考えられる。
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