広背筋を用いて循環補助を行うCardiomyoplastyの臨床応用が我が国でも現実になろうとしているが、臨床応用に先だつ充分な動物実験が不可欠であるという認識のもとに、我々はこれまで、様々な要求に応えうる動物実験用植え込み型骨格筋刺激装置(MCMS-1110)を開発し、その植え込み耐久実験をおこなった。その結果、最近349日の連続作動を記録し、今後解決されねばならぬ課題として、刺激装置の小型化、電池容量、刺激電極等の問題がのこったものの、現時点では概ね満足すべき結果を得た。 我が国でのCardiomyoplastyの臨床応用が近づきつつある現在、研究面でもより高度な慢性動物実験に比重が移ってきた。Dynamic Cardiomyoplastyの補助効果の評価には優れた心不全モデルが不可欠であり、その最も有望な方法としてRapid Pacing法が注目を浴びてきた。しかし、残念ながら植え込み型のRapid Pacing可能な刺激装置は我が国には存在しない。我々には、これまでの研究成果からMCMS-1110があり、この刺激装置にRapid Pacing機能を付加することで植え込み型Rapid Pacing可能骨格筋刺激装置を開発することにした。基本的な部分はMCMS-1110の機能を継承し、ROMの変更で最高350bpmまでの発信が可能な埋め込み型骨格筋刺激装置MCMS-1111を開発・製作して、急性実験でその基本性能を確認した。現在慢性植え込み実験でその最終性能確認を行っている。
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