研究概要 |
広背筋を用いて循環補助を行うCardiomyoplastyの臨床応用が我が国でも現実になろうとしているが、臨床応用に先だつ充分な動物実験が不可欠であるという認識のもとに、我々はこれまで、様々な要求に応えうる動物実験用植え込み型骨格筋刺激装置(MCMS-1110)を開発し、7回の植え込み耐久実験をおこなった。その内の3台でそれぞれ、植え込み後181日,234日および349日の連続作動を記録した。これら一連の実験結果の検討から、現時点ではサイズ、電池、電極などの問題点を有するものの、これらの課題を一つ一つ克服することにより、広い要求に応え得る信頼性の高い骨格筋刺激装置に成り得ると結論した。 また我が国でのCardiomyoplastyの臨床応用が近づきつつある現在、研究面でもより高度な慢性動物実験に比重が移ってきた。Dynamic Cardiomyoplastyの補助効果の評価には優れた心不全モデルが不可欠であり、その最も有望な方法としてRapid Pacing法が注目を浴びている。植え込み型のrapid pacing可能な刺激装置は我が国には存在しないので、MCMS-1110にrapid pacing機能を付加することで植え込み型rapid pacing可能骨格筋刺激装置を開発することにした。基本的な部分はMCMS-1110の機能を継承し、ROMの変更で最高350bpmまでの発信が可能な埋め込み型骨格筋刺激装置MCMS-1111を開発・製作し、現在、急性および慢性実験でその最終性能確認を行っている。
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