研究課題/領域番号 |
05671118
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
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研究分担者 |
西村 元延 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大竹 重彰 大阪大学, 医学部, 助手 (50243209)
金香 充範 大阪大学, 医学部, 助手 (70169580)
中埜 粛 大阪大学, 医学部, 講師 (70028653)
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キーワード | Myocyte / Endothelial Cell / reperfusion injury / Neutrophil / Complement |
研究概要 |
1.in vitro心筋モデルの開発 3-4週齢のラット心を摘出し、ランゲルドルフ潅流装置を用いて、collagenaseを逆行性に潅流し心筋細胞及び冠微小血管内皮細胞を単離し、percollを用いた分離分画法によりそれぞれを分離する方法を開発した。血管内皮細胞は2代目まで継代培養されたものをcollagen膜上に培養し下層には単離後24時間以内の心筋細胞を培養するin vitro心筋モデルを作成し、好中球の接着浸潤を中心とした心筋虚血再潅流傷害の機序を検討した。特に好中球の接着浸潤率の検討には、非特異的細胞表面染色蛍光色素であるPKH2を用いて、蛍光分光高度計による定量化する方法を開発確立した。 2.in vitro心筋虚血再潅流傷害 in vitro心筋モデルを機密式ボックス内にいれ、palladium catalystに水を加え、酸素を消費し、水素と二酸化炭素を発生させ、低酸素状態を作成した。この時のpO2は8-10mmHgであった。またhypoxiaの時間と心筋細胞障害の程度を検討したところ、超微細構造において、2時間までが不可逆的変化を示し、3時間以上では50%以上の細胞が不可逆的変化を示した。ボックスより心筋細胞を取り出し、再酸素化を行い、心筋虚血再潅流傷害モデルを作成した。 3.in vivoの好中球による心筋虚血再潅流傷害モデルの開発 250-300gのラット摘出心をランゲンドルフ潅流し、20分間の単純遮断による虚血状態にしその後再潅流した。そほ再潅流直後5分間、側枝からラット血より分離した好中球および血清を添加した。これにより再潅流後45分後の心機能は好中球無添加群に比し有意に増悪した。これにより好中球による心筋虚血再潅流傷害のin vivoモデルを作成した。 以上、本年度は基本的にはin vitroおよびin vivoの心筋再潅流傷害モデルの確立を中心に研究を行った。次年度においてこれらのモデルを用いて補体活性化の機序と補体抑制因子の関与について解明に取り組む予定である。
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