初年度実績 肺移植におけるdonor肺のgraftとしての機能低下の一病態として、低温冷却障害と考えられるno-reflow現象を家兎心肺ブロックで示唆した(JTCS1992)。家兎心肺ブロックの実験はexovivo実験であり、in situでのno-reflow現象の証明とその解析のため、ブタを用いた再移植実験を計画した。 初年度は、肺移植手術手技を確立するためdonor肺の摘出法とrecepientでの肺移植法の手技を検討した。2頭の片肺交叉移植を施行したが、graftとしての肺摘出を通常の全摘に準じた方法で行うと操作中micro atelec等の肺傷害、吻合用の気管支、肺血管の遊離縁を充分とれない等のため、交叉移植をあきらめdonorより心肺をenblocに摘出し、bench surgeryで移植肺のpreparationを行って片肺移植を行っている。recepientの片肺移植では吻合手技の確立を目指した。気管支吻合はTrinckleのtelescope法を用いた。本法がomentopexyを併用した通常の端々吻合に代わり得るか検討中である。血管吻合は通常のmonofilament縫合糸による連続縫合を用いているが、手術時間の短縮、吻合部狭窄予防としてcuff techniqueが応用可能か検討している。cuff techniqueでは血管を固定するtubeの材質、形状を検討中である。現在まだ急性実験での手術手技検討中であるが、その確立ができしだいコントロール、長時間保存肺での実験を行う予定である。
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