小児用人工血管はその成長の過程が個人や成長時期によって、大動脈の口径の成長度がまちまちであるため、その開発は困難であった。今回、我々は経皮的血管形成術を用いて対外から人工血管内腔に圧力を加えることにより口径を拡大させ得る人工血管を開発した。その原理は人工血管をポリエステル繊維を平織りにして作成する。そしてその構成は縦の捻糸(繊維群)と横の捻糸とで形成される。つまり縦の捻糸は通常の強度のポリエステル繊維を用いるが、横の捻糸は2種類のポリエステル繊維で形成するように作成した。そして強度の強い捻糸群を螺旋状にし、その中心に強度の弱いポリエステル繊維群を置き全体として横の捻糸ができ弱い捻糸群が最初の口径を規定することになる。そして口径の拡張する必要が生じた時 内腔を加圧して弱い捻糸に緊張をかけ、弱い捻糸を切断されれば強度の強い螺旋状の捻糸群が引き延ばされて口径が拡大するという設計で作成した。 この人工血管をex vivoの実験と伴に雑種成犬を用いたin vivoの実験で人工血管の口径が拡張されるかを検討し良好に機能を果たせる確信を得た
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