本研究は5年前の昭和62年度から独自でポンピング機能を有する人工肺を試作し性能実験を行った。試作した人工心肺はシリコンゴム製厚さ0.25mm面積270cm^2平板膜に人工呼吸器をポンピング用機器として使用して酸素を吹送しながら血液を送り出すことによってガス交換とポンピング機能とを同時に行うものである。この平板型の試作器は動物実験でガス交換能が不十分であった。平成5年度はポリカーボネイト製シリンダーに1700本のシリコンチューブを束ね、エラスティックシリコンフィラーによりパックした。シリンダーの両端にはボール弁を装着した。膜の有効面積は8.8×10^<-2>m^2である。膜は100%酸素を吹送しながら気体により駆動させた。モックテストでは生理食塩水が2.0×10^<-7>m^3s^<-1>拍出されたとき、その酸素分圧か流入側で1.57×10^4Paが、流出側で4.72×10^4Paと上昇が認められた。現在は同じ実験方法で動物を用いて行いつつある。
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