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1993 年度 実績報告書

視床膝状体動脈の臨床解剖学的検討-脳血管障害の診断・治療に関する臨床解剖学的検討-

研究課題

研究課題/領域番号 05671153
研究機関信州大学

研究代表者

宜保 浩彦  信州大学, 医学部・附属病院脳神経外科学, 講師 (00135146)

研究分担者 小林 茂昭  信州大学, 医学部・脳神経外科学, 教授 (50020772)
本郷 一博  信州大学, 医学部・附属病院脳神経外科学, 講師 (00135154)
田中 雄一郎  信州大学, 医学部・附属病院脳神経外科学, 講師 (70192177)
キーワード視床膝状体動脈 / 後大脳動脈 / 穿通枝 / 脳血管障害 / 分布灌流領域 / 視床梗塞 / 診断・治療 / 臨床解剖学
研究概要

脳血管障害の中で後大脳動脈、特に視床膝状体動脈の病変は、頻度は少ないものの重要な疾患の一つである。
この部の病変は症候学的に多彩な症状を呈し、診断が困難な症例が少なくない。この視床膝状体動脈の閉塞の結果、知覚障害、視床痛、軽度の片麻痺と失調症、同名半盲などを特徴とするDejerine-Roussy視床症候群が発生することが知られている。
本研究では従来余り検討されていない視床膝状体動脈について、その頻度、直径、親血管から分岐する部位、分布灌流領域、分布の特徴、吻合の様式などについて臨床解剖学的に検討した。その概要は以下のようである。
1.視床膝状体動脈は全例に存在し、その頻度は平均5.7±2.1(範囲2-12本)本であった。
2.視床膝状体動脈の直径は、平均0.3458±0.092mm(範囲0.07-0.580mm)であった。
3.視床膝状体動脈の分岐部位から後交通動脈までの平均距離は、32.6±9.4mm(範囲13-70mm)であった。
4.後交通動脈から視床膝状体動脈が二本以上分岐する時、その視床膝状体動脈間の後大脳動脈の長さを計測すると、その範囲は4mmから46mm(平均23.7±11.2mm)であった。
5.視床膝状体動脈の分布灌流領域は、内側膝状体(100%)、視床枕(80%)、上丘(53.33%)、外側膝状体(13.33%)であった。
6.視床膝状体動脈は種々の近傍の血管と吻合していた。すなわち、33.33%が内後脈絡叢動脈と吻合を有し、36.37%がmesencephalothalamic artery、13.33%が外後脈絡叢動脈、さらにそのほかの13.33%が他の視床膝状体動脈と吻合を有していた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Milisavljevic MM: "The thalamogeniculate perforators of the posterior cerebral artery.The microsurgical anatomy." Neurosurgery. 28. 523-530 (1991)

  • [文献書誌] 宜保浩彦: "脳室壁に分布する血管(1)Medial posterior choroidal artery." Clinical Neuroscience. 11. 1188-1189 (1993)

  • [文献書誌] Marinkovic SV: "The surgical anatomy of the branches of the basilar artery." Neurosurgery. 33. 80-87 (1993)

  • [文献書誌] 宜保浩彦: "脳室壁に分布する血管(2)Lateral posterior choroidal artery." Clinical Neuroscience. 11. 1308-1309 (1993)

  • [文献書誌] 宜保 浩彦: "「下垂体研究の進歩」脳下垂体へ分布する血管." 日本臨床. 51. 2550-2554 (1993)

  • [文献書誌] Marinkovic SV: "The neurovascular relationships and the blood supply of the abducent nerve.The surgical anatomny of its cisternal segment." Neurosurgery. (in press.). (1994)

  • [文献書誌] 宜保 浩彦 編集: "穿通枝と頭蓋底部の外科解剖.顕微鏡下手術のための脳神経外科解剖V." サイメド.パブリケションズ, 1-183 (1993)

  • [文献書誌] Hirohiko Gibo: "Cranial vascular anatomy of the anterior circulation,in Neurovascular Surgery(eds.Carter LP,Spetzler RF)" McGraw-Hill,Inc.(in press.), (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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