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1994 年度 実績報告書

視床膝状体動脈の臨床解剖学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 05671153
研究機関信州大学

研究代表者

田中 雄一郎  信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70192177)

研究分担者 小林 茂昭  信州大学, 医学部附属病院, 教授 (50020772)
キーワード脳血管 / 解剖 / 脳神経外科
研究概要

通常に行われた剖検でえられた50個の大脳半球を材料とした。大脳半球の血管系は等張の生理食塩水で還流し、インデアインクとゼラチンを注入後3週間10%のホルムアルデヒドで固定した。後大脳動脈の末梢とその分枝を大脳と小脳の切除後露出し、脳幹は橋延髄移行部で切離した。立体手術顕微鏡下に血管を剥離露出し観察し以下の結果を得た。
視床膝状体動脈は全例に存在した。その本数は2から12本で、外径は80から560μmであった。視床膝状体動脈の計算上合計した外径は650から3200μmであった(平均1942μm)。ほとんどの視床膝状体動脈は独立した起始部を有していたが、24%の例で起始部を共有していた。ほとんどの視床膝状体動脈は後大脳動脈の遠位部のみから発生していた。これらの枝は後大脳動脈の脚槽もしくは迂回槽から分枝(P2)していた。しかし20%の例では四丘体槽から発生(P3)していた。12%の例で前側頭動脈、18%で中側頭動脈、6%で後側頭動脈、11%で総側頭動脈、18%で後側頭動脈より末梢、36%で総側頭動脈より末梢で視床膝状体動脈は分枝していた。7%の例では全ての視床膝状体動脈は総側頭動脈より末梢より分枝していた。ある視床膝状体動脈は後脈絡叢動脈付近か発生していた。更に13%の例では視床膝状体動脈は後大脳動脈のP2、P3からの分枝に加えて総側頭動脈より分枝していた。更に7%の例では後大脳動脈の最終末梢枝である鳥距もしくは頭頂後頂動脈から分枝していた。
視床膝状体動脈を分枝している後大脳動脈の区間の長さは6から44mm(平均23mm)であった。後交通動脈から視床膝状体動脈分枝までの距離は12から68mm(平均32mm)であった。視床膝状体動脈間の吻合は66%で見られた。それらの外径は88から390μmであった。吻合は視床膝状体動脈と内側後脈絡叢動脈もしくは中脳視床動脈間に見られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 田中雄一郎、小林茂昭: "脳底動脈分岐部動脈瘤に対するアプローチとクリッピング法" 脳卒中の外科. 22. 143-147 (1994)

  • [文献書誌] Tanaka Y,Kobayashi S,Gibo H,Kyoshima K: "Characteristics of pterional routes tcbasilar bifurcation aneurysm" Neurosurgery. 36. 533-540 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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