研究課題/領域番号 |
05671155
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中洲 庸子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10135478)
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研究分担者 |
森川 茂広 分子神経生物学研究センター, 助教授 (60220042)
中洲 敏 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00135477)
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キーワード | 拡散強調画像 / 核磁気共鳴 / 興奮性アミノ酸 / スペクトロスコピー / てんかん / 脳浮腫 / 扁桃核 / ラット |
研究概要 |
カイニン酸を用いて難治性複雑部分発作のラット実験モデルを作成し、生体内において脳組織の核磁気共鳴画像(MPI)・スペクトロスコピー(MRS)・ケミカルシフトイメージ(CSI)を非侵襲的に測定している。 1.MRI:カイニン酸全身投与群と一側扁桃核注入群において、経時的な1H-MRIを撮像し、辺縁系局所の変化を非侵襲的に観察することができた。これらは浮腫、出血、壊死などの組織所見とよく対応することを確認した。とくに、拡散強調1H-MRIを用いることによって、けいれん重積による扁桃核局所の特徴的な変化を発作重責直後より描出できることを見出した。さらに正常ラットに、NMDA型、非NMDA型拮抗薬を投与したところ、拡散強調画像で辺縁系に局所的な軽度の変化が出現することを明らかにした。つぎに、NMDA型拮抗薬の前処置は、カイニン酸投与てんかん重積における1H-MRIの変化を抑制することを明にした。 ここまでの成果は、第27回日本てんかん学会(1993年10月、弘前)、第52回日本脳神経外科学会(1993年9月、東京)、国際てんかんシンポジウム(1994年5月、クリーヴランド)、第28回日本てんかん学会(1994年10月、岡山)で発表した。また、Jpn J Psychiatry Neurol(1993)に発表し、つづいて現在 Jpn J Psychiatry NeurolとAmerican Journal of Neuroradiologyに論文が採用され印刷中である。 2.MRS,CSI:31P-MRSではpulse sequence、コイルの改良、演算処理の改善に努めた結果CSIとして描出可能となった。現在、同じモデルを用いて、経時的な追跡と NMDA型、非NMDA型拮抗薬による修飾について例数を加えつつあり、スカンジナヴィア脳神経外科学会(1995年6月、レイキャビク)と日本てんかん学会(1995年10月、別府)での報告を予定している。
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