難治性水頭症の病態解明を目的として、^<125>I-Ro16-0154(Ro)と^<123>I-IMP(IMP)を用いて、先天性水頭症ラットにおける中枢ベンゾジアゼビンレセプター分布と局所脳血流の差異について検討した。実験には生後4週のHTXラットを用い、対照として、同週の水頭症非発症HTXラットを用いた。ベントバルビタール麻酔下に経静脈的にRoとIMPを投与した。Ro投与はsacrificeの60分前と90分前の二群に分け、IMPは両群とのsacrificeの2分前とした。IMPのオートラジオグラフィーには直後より24時間の露光とし、Roのそれは7日後に48時間の露光とした。 幼若ラットではRo投与後60分で血流の影響が残存しており、尾状核で大脳皮質と同程度のRoの活性を認めた。90分では大脳皮質よりも明らかに低下し、in vitroのオートラジオグラフィーと同様の所見を認めた。このことより、Roのレセプターイメージングには少なくとも90分以後が適当と考えられた。90分後における水頭症における中枢ベンゾジアゼビン レセプターの分布は対照群と比較して全般的な低下を認めたが、局所的差異はなく、水頭症で受容体の機能低下が考えられた。また、in vivoでのレセプターイメージングには脳血流の影響を考慮する必要があることが示唆された。
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