研究課題/領域番号 |
05671160
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
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研究分担者 |
加藤 天美 大阪大学, 医学部, 助手 (00233776)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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キーワード | cerebral ischemia / microcirculation / free radical / chemiluminescence / superoxide / SOD / nitric oxide |
研究概要 |
1.局所脳虚血によるラジカル産生系の変化 臓器虚血にともなう微小循環障害の憎悪とフリーラジカルによる血管内皮細胞傷害の関連については不明の点が多い。そのため、ラット中大脳動脈の閉塞後摘出した新鮮脳切片について極微弱発光を測定した結果、虚血1〜2時間後より発光量が有意に増加することが示された。さらにこれらの切片をSODにより処理すると微弱発光が約45%減少することより虚血脳組織では活性酸素の産生が亢進し、なかでもO_2^-が相当の重要性を有することが示唆された。 2.スーパーオキサイド(O_2^-)産生と微小循環障害との関連 同じラット中大脳動脈閉塞モデルにおいてSODを持続投与し、血漿標識血漿潅流微小血管率の変化を検討した。その結果、SOD投与群では対照群に比べ微小血管潅流率は有意に増加し、虚血脳においてO_2^-産生が微小循環障害憎悪因子として働くことが示唆された。 3.平成5年度のまとめと次年度への展望 本年度に計画した研究は予想を上回る成果をもたらした。すなわち、虚血脳組織においてO_2^-を含む活性酸素の産生が亢進し、SODの投与が実際に微小循環障害を改善しうることが明らかになった。 次年度はSODにより修飾されうるラジカルであり、また血管拡張調節因子でもある一酸化窒素(NO)系についてさらに詳細な検討を加える。
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