研究課題/領域番号 |
05671162
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丸野 元彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263287)
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研究分担者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 講師 (00201046)
田村 進一 大阪大学, 医学部, 教授 (30029540)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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キーワード | 脳神経外科 / 手術支援 / 手術ナビゲ-タ / 立体模型 / 模擬手術 |
研究概要 |
患者立体脳模型作成のためにCTやMR画像から主要な解剖学的構造を抽出する半自動画像処理法を考案した。従来、こうした画像処理は画像の濃淡値のみより目的構造のセグメンテーションがおこなわれてきたが、組織の不均一性や画像に内包される雑音成分のため正確な抽出が困難であった。私たちは、この問題を克服するため、まず抽出すべき構造に関心領域を設定し、それらの画像特性すなわち画素の濃淡値、分散値などを分析検討した。ついで輪郭強調、平滑化、2値化、縮退、拡散、収縮などの画像処理技法を流れ処理として適用し、個々の構造の画像特性に適合する画像域を抽出した。それぞれの処理に必要なパラメータは断層画像の1スライスについてあらかじめ最適化し、それを全スライスに援用した。最後に、輪郭追跡により各画像域の輪郭を原画像に重ねあわせて表示し、適切と判断された各構造の輪郭データのみを保存した。これら半自動化手法により、より客観的な画像抽出が可能となり、これらの輪郭データをもとに脳構造の立体再構成が容易にできた。輪郭データはワイヤーフレーム化し、脳立体画像として表示、脳手術支援ナビゲーションシステムの基本画像として手術計画や術中ナビゲーションに利用するとともに脳立体模型のための型取りデータとした。 脳立体模型は紙粘土を素材に試作した。すなわち、断層画像のスライスと同じ厚さの紙粘土板に実物大の輪郭線を印刷し、それを裁断して重畳立体再構成した。各構造は色によって区別した。紙粘土模型は台に固定し、手術ナビゲーターを設置して小ヘラで切削、模擬手術を行った。その結果、実際の手術と同じような術野が再現できることを確認した。模擬手術により得られた最適な手術進入路や切除範囲はナビゲーションシステムに記録され、実際の手術時、適宜、手術操作位置とともに表示され、シュミレーションでの検討結果をそのまま手術に活用することができた。
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