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1993 年度 実績報告書

グリオーマにおける単球遊走因子の遺伝子発現とその調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 05671171
研究機関熊本大学

研究代表者

倉津 純一  熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)

研究分担者 河内 正人  熊本大学, 医学部, 講師 (70178218)
三浦 正毅  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00192352)
キーワードGlioma / Macrophage / Immunity / Cytokine
研究概要

悪性グリオーマに対する免疫療法が期待される中で脳腫瘍に対する免疫反応が改めて認識されている。悪性グリオーマ局所にはマクロファージを中心とした単核球浸潤が著明であり、悪性グリオーマに対する免疫反応と考えられる。私達はグリオーマ局所へのマクロファージの浸潤機序を明かにする過程でグリオーマ細胞由来の単球遊走因子(Monocyte chemoattractant-1:MCP-1)を分離精製し、その生化学的構造、DNA sequenceについても明かにしてきた。さらに悪性グリオーマがMCP-1を産生し、グリオーマ局所へのマクロファージ浸潤に関係することを明らかにした。今回私達はMCP-1に対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いて、グリオーマ患者の髄液中あるいはグリオーマ嚢胞液におけるMCP-1の定量を行い臨床的応用について検討した。悪性グリオーマ19例の髄液内のMCP-1は2.3±0.4ng/mlで、良性グリオーマ9症例あるいは非腫瘍性疾患7症例ではそれぞれ0.6±0.1ng/ml、0.5±0.1ng/mlであり、悪性グリオーマの髄液内のMCP-1量は有意に良性グリオーマあるいは非腫瘍性疾患の髄液内MCP-1量よりも有意に高値を示した。また悪性グリオーマ4症例の嚢胞液内MCP-1も高値を示した。その結果、以上のことから悪性グリオーマ細胞からMCP-1が産生されて腫瘍局所のマクロファージの浸潤を来していることを明かにした。
TNFやIL-1などのサイトカインやPDGFで刺激することによりMCP-1の発現が少ないグリオーマ細胞にMCP-1遺伝子や蛋白の発現を誘導されることを明らかにして、現在その機序について検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Jun-ichi Kuratsu: "Quantitative study of monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)in cerebrospinal fluid and cyst fluid from patients with malignant glioma." Journal of National Cancer Institute. 85. 1836-1839 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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