研究課題/領域番号 |
05671173
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永廣 信治 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (60145315)
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研究分担者 |
後藤 恵 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (50240916)
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 一過性局所脳虚血 / 線条体 / 黒質 / 選択的神経細胞死 / MRI / 脳浮腫 / 血管透過性 / 神経移植 |
研究概要 |
ラットの一過性局所脳虚血モデルを作成し、経時的に実験用MRI装置で虚血性脳浮腫と血管透過性の変化を観察し、アポモルフィン誘起回転運動を指標とした運動機能障害評価を行い、線条体-黒質における神経細胞やグリアの変化を免疫組織学的に検討した。また、虚血作成から1週間後に仔ラットの線条体細胞を虚血巣に移植し、経時的に運動機能障害の評価後、組織学的検索を行い、以下の結果を得た。(1)運動機能評価:アポモルフィン投与後、虚血と同側への回転運動がみられ、線条体虚血病変との相関がみられた。(2)MRI所見:虚血時間が長い程早期から虚血側中大脳動脈領域にT2高信号がみられ、15-30分虚血では線条体外側にのみ一過性の変化がみられた。虚血によって血液-脳関門が破綻するだけでなく、血液-脳脊髄液関門も一過性に破綻することを明らかにした。(3)免疫組織所見:短時間虚血で線条体外側部に神経細胞の型特異性障害がみられ、カルシニューリン陽性の中型有棘ニューロンが選択的に脱落した。同時に黒質網様部外側でカルシニューリン染色性が失われた。一方、パルバルブミン陽性細胞は線条体で残存したが、カルレチニン陽性細胞は著明に減少し、線条体介在細胞も虚血に対する脆弱性に差があることが判明した。またミクログリアの反応が、大脳皮質では数時間後から、黒質においては虚血後3日目から長期にわたって認められた。(4)神経移植:移植後の回転運動に有意な変化はみられなかったが、6カ月後の組織学的検索では、虚血線条体の移植片から淡蒼球へ神経回路が再構成されていることが確認された。
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