研究概要 |
難治性てんかんに対する診断の確立・手術適応の決定の研究及び磁気共鳴装置(以下MRIと略す)によるてんかん焦点におけるエネルギー代謝の検討を行った。海馬・側頭葉に関して、MRSによる燐代謝を^<31>P Spectroscopyにより、てんかん焦点のin vivoでの燐エネルギー代謝についててんかん患者および実験的に検討した。その結果は、第20回鹿児島てんかん懇話会(7月28日:鹿児島)、第19回東海神経懇話会(6月10日:名古屋)、第40回大島郡医師会県立大島病院合同カンファレンス(5月22日:奄美大島)、第23回日本小児神経外科学研究会(5月18-19日:松江)、同サテライト・シンポジウムてんかん外科コース、大島郡医師会大島郡薬剤師会学術講演会(4月28日:奄美大島)、第24回日本医学界総会(4月7-9日:名古屋)、第29回日本てんかん学会(10月3,4日:大分)、第18回ペンフィールド記念懇話会(10月23日:名古屋)、第54回日本脳神経外科学会総会(10月27日:名古屋)、において発表した。結果をまとめると、1)てんかん焦点では、発作間歇期には、hypometabolismが、また発作時にはhypometabolismが指摘された。この点に関して、局所脳血流測定装置ならびにChemical Shift Imagingによって、てんかん焦点の代謝を検討した。(2)MRSによる^<31>P-CSIにおいて、てんかん原性焦点でのATP,PCr,Pi,PME,Total Phosphateの検索を行い、てんかん患者におけるてんかん原性焦点の指標を作成した。また、上記^<31>P-CSIによるてんかん原性焦点での燐代謝エネルギーに関する検討をおこない、発作時Piの上昇、発作間歇期には、PCrの低下がみられ、またPDEの上昇が認められた。2)実験てんかんモデルによる^<31>P-MRSの検討では、発作開始からPiの上昇が認められた。3)^<99m>Tc-HM-PAO SPECT、および^<123>I-IMP SPECT、Xenon CTによる、てんかん患者の局所脳血流測定では、発作焦点では、約80%に低潅流域として、また発作時には血流の増加を認められた。この研究では、てんかんの発現機序解明のため、エネルギー代謝の面から検討を臨床的・実験的検討を行いその結果に基づいた新しい治療の開発として、迷走神経刺激によるてんかんの治療の研究も行ない、発作の減少を認めている。
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