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1995 年度 実績報告書

神経成長因子の発生学的見地と胎児脳,及び脳形成不全におけるニューロンの成熟との相関

研究課題

研究課題/領域番号 05671187
研究機関東海大学

研究代表者

大井 静雄  東海大学, 医学部・脳神経外科, 助教授 (30194062)

研究分担者 本多 ゆみえ  東海大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (40266416)
日高 充  東海大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (90256123)
田中 佳  東海大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (20227193)
竹井 太  東海大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (00216839)
佐藤 修  東海大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (00023763)
キーワード神経成長因子(NGF) / 繊維芽細胞成長因子(FGF) / コリン作動性ニューロン / ニューロン成熟 / 癒合不全 / 二分脊椎 / マウス動物実験モデル / 海馬
研究概要

本研究課題においては主として、脊髄のdysraphismの発生病態の研究を行ってきた。その中でニューロンの発生異常に関する共通した所見としては、随伴するneuronal componentのover maturationが存在することを強調してきた。そのニューロンの過剰成熟の存在に基づき、neuronal maturationが主体となり中枢神経発生過程で一度完成した神経管が再開裂し、神経管癒合不全が発生するということが示され、ここにはNGFの発生発達動態の異常が示唆される。しかし、neuron成長に重要な役割が認められているNGF自体がいかなる発生過程を持つかについては明らかではない。過去、私共が行なってきた研究では、ここに一部のニューロンがニューロペプタイドの異常な発生発達動態を持って過剰に形成、成長してゆくことが判明した。
NGF発現動態の分析結果は、繊維芽細胞成長因子FGF (Fibroblast Growth Factor)に限られるが、胎児脳組織自体のニューロン成熟とNGFの関与についての見解を得るところまで進展してきた。繊維芽細胞成長因子FGFであるbasic FGFを対象として胎仔マウスおよび新生仔マウスの脳脊髄の凍結標本に対して免疫組織科学的検索を繰り返し行った。その結果、海馬を中心にその局在が認められた。この所見はNGFが海馬、新皮質のニューロンで生合成され、全脳基底野のコリン作動生ニューロンの軸作をアセチルコリンとは反対方向に逆行輸送され動作するという概念に類似性を持つ可能性を示唆しているものと思われた。中枢神経系奇形のニューロン成熟傷害の病因病態に関しては、不明のことが多く、この正常胎児での発現動態をコントロールとして、特に癒合不全におけるニューロン過剰成熟の現象に関する分析に移る前段階まで研究を進めることができた。また、胎児脳組織が脳組織移植のドナーとしての役割を果たす際のニューロン成熟の動態にも、本研究でのNGFのニューロン成熟との相互関係に関しての見解は中枢神経系の移植学における重要な情報となることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Oi Shizuo: "Neuronal overmaturation in dysraphism: ontogenic expression of neuropeptides in the fetal brain and developmental anomalies in evencephaly" Child's Nervous System. 11-9. 504-510 (1995)

  • [文献書誌] 大井静雄: "Neuro-Vascular Developmental Intreraction:胎生期の脳血管発生の特殊性(Part-2)胎児の脳血管傷害の特殊性(臨床例の分析)" 脳神経外科ジャーナル. (投稿中).

  • [文献書誌] 大井静雄: "胎生期の脳血管発生の特殊性と脳循環の発達" 神経研究の進歩. 40(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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