研究課題/領域番号 |
05671196
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
国分 正一 東北大学, 医学部, 助教授 (60186658)
|
研究分担者 |
張 哲守 東北大学, 医学部, 助手
谷 正太郎 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50241617)
|
キーワード | 頚椎 / 椎間板 / 椎間板ヘルニア / 発生機序 / 軟骨細胞 / 細胞増殖 / PCNA / アポトーシス |
研究概要 |
(1)手術時摘出の椎間板標本の病理組織学的検討。20例分を検討し、全例に断片化した軟骨板を確認できた。 (2)剖検屍体頚椎椎間板の病理組織学的、組織化学的、免疫組織学的検討。41体(20〜85歳)の143頚椎椎間板を検討した。椎間板前後径2/3以上の水平裂が61%、軟骨板に及ぶ垂直裂が49%、その結果の軟骨板断片化が33%に生じていた。その軟骨板断片は遊離、翻転し、あるいは亀裂内を遊走し、13体(32%)、20椎間板(15%)で後縦靭帯を破って椎間板ヘルニアとなっていた。これらの所見が加齢に伴い増加することが統計学的有意差で確認された。5体(12%)が多椎間発生であった。また、無症候性ヘルニアが稀ならず存在することが示唆された。 以上のことより、頚部椎間板ヘルニアの前駆病態として、軟骨板の断片化が重要な機序であることが捉えられた。 (3)椎間板軟骨細胞増殖の免疫組織化学的証明。普通染色では軟骨細胞に分裂像は捉えられない。10例の椎間板において、細胞増殖マーカーであるPCNAを抗体PC10を用いて証明できた。陽性細胞は髄核、線維輪ともに、基質変性の著明な椎間板中央部の単独細胞および合胞内細胞に認められた。稀であるが、軟骨板内の細胞にも陽性細胞が認められた。 (4)椎間板軟骨細胞増殖のアポトーシスの証明。椎間板に細胞死に陥った軟骨細胞が集簇した像が捉えられた。そこで5例の椎間板で、DNA断片化をin situに捉えるTUNEL法を行った。その結果、陽性所見が得られ、細胞死がアポトーシスであることを証明できた。
|