(1)RA患者より抽出したII型コラーゲン反応性T細胞クローン株(JT1)の増殖JT1よりT細胞リセプター(TCR)を抽出するためにJT1を増殖させて、多数のクローン細胞を作る必要がある。その目的でヒト白血病細胞株(Jurkat)とのハイブリドーマを作成した。その結果、多数のハイブリドーマ株を得たが、これらの株は元のJT1の性質を失っていた。これまでに得たハイブリドーマ株は全て、CD3陰性、CD4陰性、CD8陰性であり、またII型コラーゲンに対する反応性を失っていた そこでJT1を増殖させる方法として、OKT3およびインターロイキン2(IL-2)で刺激した。その結果JT1は増殖を続けてるが、増殖速度はハイブリドーマより遅いためTCRを抽出するに十分な量の細胞はまだ得られていない。 (2)JT1のII型コラーゲン反応性を修飾する因子 JT1のII型コラーゲン反応性が何らかの因子により抑制されるならば、それはRAの治療法として応用されうる。われわれは、RAが女性に多く、また女性のほうが重症である事実に着目して、(1)で得たJT1のII型コラーゲン反応性がエストラジオールで修飾されるか否かを検討した。その結果、エストラジオールはこの反応を促進することがわかった。
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