研究概要 |
RA患者関節液よりインターロイキン-2刺激下にII型コラーゲン反応性T細胞株JT1を樹立した。JT1のII型コラーゲン反応性は抗HLA-DR抗体存在下で抑制された。このことよりJT1のII型コラーゲン反応性はMHC拘束性であることが判明した。JT1のII型コラーゲン反応性はエストラジオール添加により抑制された。このことよりRA滑膜組織中にエストロジェン反応細胞があるものと予測し,RA患者滑膜組織を調べたところ、滑膜細胞がエストロジェン・リセプターを発現していることを発見した(論文発表)。 JT1に軟骨細胞を加えると、JT1の増殖は促進した。この反応はエストロジェン添加により抑制された。このことより関節軟骨がエストロジェンの標的組織であるものと予測し、関節軟骨のエストロジェン・リセプターmRNAを調べた。その結果、ヒト関節軟骨細胞がエストロジェン・リセプターを発現していることを発見した(投稿中)。 JT1とヒトT細胞白血病株(Jurkat)とのハイブリドーマを作成した。作成したハイブリドーマの表面抗原を調べたところ、いずれもCD3陰性であった。このような実験を繰り返したが、ヒト白血病細胞とのハイブリドーマは形質をつぎつぎと変化させ、安定したII型コラーゲン反応株を得ることはできなかった。現時点でワクチンを作成する段階に達していないがJT1のT細胞リセプターのDNA解析を行い、TCRの合成を行う方向で研究を続けている。
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